タイトルの通り、19mmのNATOベルトが良かった、という話です。IWCマーク15白文字盤でのイメージ写真もあり、その他の時計のイメージへのリンクもあります。

そもそもNATOベルト(NATOストラップ)とは

NATOベルト(NATOストラップ)は、1960年代にイギリス軍が採用した時計用のストラップです。当初は「G10ストラップ」と呼ばれ、軍用装備品として配布されました。そのデザインの特徴は、1本のナイロン製のベルトと金属製のバックルおよびループで構成されている点です。高い耐久性、防水性、装着の簡便さが求められる軍用として設計されており、過酷な環境下でも使用できるよう工夫されています。近年ではその実用性とスタイリッシュなデザインから、一般市場でも人気を集め、カジュアルな腕時計から高級時計まで幅広い場面で使用されています

通常のベルトに対するメリット

耐久性と防水性
NATOベルトはナイロン製であり、軽量かつ耐久性に優れています。また、水に強い素材で作られているため、海やアウトドア活動など湿気が多い環境でも安心して使用できます。

取り付けと取り外しの簡便さ
時計の裏側を通す一体型の構造により、簡単に取り付けや取り外しができます。これにより、複数のストラップを手軽に交換できるため、服装や気分に合わせてカスタマイズが可能です。

安全性
NATOベルトは時計を固定する部分が複数のループで支えられているため、1つのバンドが破損しても時計が完全に外れることがありません。この設計は、時計を失くすリスクを大幅に減らします。

手頃な価格
多くのNATOベルトは比較的安価で提供されており、手軽に購入・交換が可能です。そのため、時計のイメージを手軽に変えられるアクセサリーとしても魅力的です。

デメリット

フォーマルな場面には不向き
NATOベルトはカジュアルなデザインが特徴であり、ビジネスシーンやフォーマルな場面にはやや適さない場合があります。特にスーツやドレスウォッチにはレザーやメタル製のベルトのほうが相性が良いとされています。

厚みが増す
NATOベルトは時計ケースの下を通るため、通常のベルトよりも厚みが増します。これにより、一部の薄型時計やタイトな袖口との相性が悪くなる場合があります。

デザインの制約
ナイロン素材の特性上、カラーや柄は多様ですが、素材自体に高級感を求めるのは難しいです。そのため、高級時計に合わせる場合には素材感のギャップを感じることがあります。

汚れや臭いの蓄積
ナイロン製のため、汗や汚れが溜まりやすく、長時間の使用で臭いが発生することがあります。これを防ぐには、定期的な洗浄とメンテナンスが必要です。

NATOベルトは、実用性とデザイン性を兼ね備えたストラップとして多くの人に愛されていますが、使用シーンや時計との相性を考慮して選ぶことが重要です。

NATOベルト(NATOストラップ)の相場

高級時計のベルト交換となると、レザーが一般的です。メーカー純正はおいておいて、日本で手に入りやすいベルトブランドは、バンビ・カシス・モレラートあたりになると思います。

その辺のブランドだと、型押し牛革は5,000-10,000円程度、その他のレザーや上級グレードになると20,000円前後が相場になると思います。

それに対して、NATOベルトは2,000-3,000円程度で主要なものが購入可能です。

低価格で、洒落感が出せて、丈夫。高級時計にNATOベルトを使うことで、お手軽に上級者感が演出できます。

時計のベルト交換における「サイズ」とは、長さではなく幅

時計のベルトを交換する際に重要となるサイズは「幅(ラグ幅)」です。これは、時計ケースに取り付ける部分の幅を指し、一般的にはミリメートル(mm)で表記されます。ラグ幅は時計本体とベルトをしっかり固定するために非常に重要で、適切な幅のベルトを選ばないと装着ができなかったり、時計の見た目が不格好になる場合があります。

時計のラグ幅は通常、18mm、20mm、22mmなどの規格サイズが多く、購入前に必ず自分の時計の幅を確認することが必要です。測定にはノギスや定規を使うと簡単に計測できます。適切な幅のベルトを選ぶことで、快適な装着感と時計の美観を保つことができます。

19mmのラグ幅のモデルは少ない

先ほども記載した通り、メンズの腕時計における代表的なサイズは18mm、20mm、22mmあたりです。このあたりは各種の既製品があり、選ぶには困りません。

一方、今回私が購入した19mmのラグ幅は、現代においては決して主流とはいえないサイズです。とはいえ少し前には魅力的なモデルで採用されていた実績が多く、私が愛用しているIWCマーク15(生産数の少ない白文字盤)以外にも、ポルトギーゼの一部のモデル、スピードマスターの38mmケースのモデル、フランクミュラー、レベルソの一部のモデル、カラトラバ5196など、錚々たるモデルが該当します。

スピードマスターで言及した通り、40mmを少し下回るケースサイズの場合、20mmでは幅が広すぎるが18mmでは頭でっかちな印象になってしまうため、19mmが選ばれる傾向にあるようです。(マーク15も38mm)

メンズの腕時計は長く続いた40mm以上の大サイズ路線が終わりを告げつつあり、40mm未満、あるいは性別問わず利用できる36mm前後ゾーンに注目が集まっています。36-38mmゾーンと相性のよい19mm幅の対応モデルは、今後も増えていくと思われます。

19mmのNATOベルトをつけてみた

ということでAmazonで見つけて購入した製品がこちらです。

はい。JB(ジェームズ・ボンドの略。黒灰ツートンのモデルが、映画007にちなんでそう呼ばれます)じゃないのかよって声がでそうですね。そっちも含め、色々と買いました。

どちらもいい感じではないでしょうか。ちなみに主にイタリア車情報を乗せているこのメディアに画像を載せた意味もちゃんとあり、1枚目の(高級感に欠けるが)派手な色合いはマルティーニというお酒のカラーだからです。マルティーニはランチア・アルファロメオなど、主にイタリア車のレースチームをサポートしたことで知られます(他にポルシェも有名)。イタリア車に乗る際は、コスプレ的な意味もあってマルティーニカラーを選んでいます。

ちなみに、Amazonでみつけて購入しました。画像転載も考えましたが法的に微妙になってしまうのでやめました。とはいえレビューにはオメガ✕JBも含め、他の時計のイメージも複数掲載されているので、購入はしなくても一度見に行ってみることをおすすめします。